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November 06, 2004

アフィリエイトは本当に儲かるのか?(Computer World 2004年11月)

 ウェブサイトで商品を紹介してもらい、購入額に応じて報酬を支払うという広告モデル「アフィリエイト」がここに来て、急激に成長している。アフィリエイト広告を掲載しているサイトはすでに30万人を突破したとも言われ、インターネットにおける小売市場の一角を占めるまでに至った。中には月額100万円を稼いでいる個人アフィリエイターも出現しているというのだが、言われているほどにバラ色のビジネスモデルなのだろうか?

 アフィリエイトというのは、個人や企業のウェブサイトで商品を紹介してもらい、そのリンクを経由して商品が売れたら、報酬を払うというインターネット広告の一種である。商品を直接ユーザーに販売する広告主、アフィリエイト広告を掲載するウェブサイト(アフィリエイター、アフィリエイトサイトと呼ばれる)、それに買い物をするユーザーの3者によってこの広告モデルは成立している。
 アフィリエイトが世の中に出現したのは1996年。Amazon.comがアソシエイト・プログラムと呼ばれる販売手法を提供したのが始まりだとされている。このきっかけとなった逸話は有名だ。どこまでが本当か分からないが、ネット上で語られているその神話は、次のようなものである。
 ――Amazon.comの創設者であるジェフ・ベゾス氏がある日、パーティーでひとりの女性を紹介された。女性は、ベゾス氏に言った。
 「わたしは離婚に関するウェブサイトを作っていて、かなり多くのページビューを稼いでるの。このサイト上でモノを売ったら儲かると思う?」
 ベゾス氏は答えた。「そりゃ儲かるかもしれないけれど、モノを売るためには倉庫も必要だし、決裁の仕組みも作らなければいけないからたいへんだと思うね」
 すると女性は、冗談まじりにこう返した。「じゃあ私のサイトでAmazon.comの本を売るのはどう?」
 この会話がヒントとなって、ベゾス氏は個人サイトで本を紹介してもらい、その売り上げに応じて報酬を支払うというモデルを思いついたのだという。そして実際に、この女性のサイトで離婚に関する書籍を推薦してもらう仕組みを実行に移したのである――。
 アメリカでは、このモデルはすぐに受け入れられた。1996年にAmazon.comがアソシエイト・プログラムを開始して直後、同じ年のうちに世界初のASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)であるリンクシェア(LinkShare)も設立されている。アソシエイト・プログラムがあくまでAmazon.comという単一のECサイトをターゲットにした広告だけを提供していたのに対し、ASPは複数の広告主と複数のアフィリエイターを相互に契約させるというビジネスモデルを発案した。これによって数多くの企業が広告主として参入し、一気にマーケットが広がったのである。Amazon.comのような単一の広告主だけに広告を配信するアフィリエイトを「単独型」と呼ぶのに対し、ASPが中核となって複数の広告主と複数のアフィリエイターを網の目のように結びつけるモデルは「ネットワーク型」と呼ばれている。
 アメリカでこのモデルが受け入れられたのは、2つの背景事情があった。まず第1に、BtoCのEC(電子商取引)市場がすでにかなりの規模で出現していたこと。1996年当時、日本のEC市場がわずか250億円前後だったのに対し、アメリカでは約2500億円にまで達していた。約10倍である。1996年当時にこれほどの差がついてしまっていた要因はさまざまだろうが、ひとつには日米のクレジットカードに対する意識の差が挙げられるかもしれない。日本では、2004年の現在でもクレジットカードをオンラインで使うことに抵抗を感じる人が少なくないのに対し、昔から小切手文化を持っているアメリカではそうした抵抗感は薄かった。
 それに加えて、中小企業のIT化の度合いもアメリカの方が圧倒的に進んでいた。日本でもここに来て、ようやく非IT分野の地方企業もネットを駆使したビジネス展開を行うようになってきたが、90年代後半はそうした企業はきわめて希だった。その時期といえば大企業がようやくインターネットに注目し、手探りでネットビジネスを模索しているというレベルだったのである。
 日本ではAmazon.comのアソシエイト・プログラムがスタートした3年後、1999年にようやく日本最初のASPが誕生している。もともとトランズパシフィックという社名でホスティング事業を行っていたバリューコマース社が、アフィリエイトのプラットフォームを独自開発し、提供を開始したのである。バリューコマース社のブライアン・ネルソン社長兼CEOが、当時をこう語っている。
 「1999年の初頭にわが社の共同創設者であるティム・ウイリアムズがアメリカのASPを研究し、日本にそのモデルを持ってこようと考えた。だが他のネット広告と異なり、アフィリエイトはモノを購入するという仕組みを持っている。日本では決済手段に銀行振り込みがよく使われるなどの特殊事情があるため、海外のライセンスを受けるのでは日本国内でビジネスを展開するのは難しいのではないかと思った。それでアフィリエイトのソフトウェアの独自開発を進め、1999年10月に開発を完了。完成したソフトを発表し、サービスをスタートさせた」
 この時作られたアイトラックというアフィリエイトソフトウェアは、銀行振り込みなどクレジットカード以外の支払いにも対応し、さまざまなローカライズも施していたのが特徴だった。
 「しかし最初は営業にたいへん苦労した。広告主として大手クレジットカード会社や大手IT企業に足を運んだが、最初はまったく理解してもらえない。『本当にそんな方法でモノが売れるんですか?』とみんな半信半疑だったのだ。一生懸命説明し、理解してもらって広告を出してもらうにいたるまでに、数か月もかかった」(ネルソン社長)
 また別のASP関係者は「マルチ商法かネズミ講のたぐいだと誤解され、さんざんな目にあったこともあった」と述懐している。
 この時期は、バナー広告に対する幻想が消滅しつつあった時期でもある。1990年代半ばのインターネットブームとともに登場したバナー広告は、当初は「新しいインターネット時代の広告モデル」としてもてはやされた。ごく初期の段階では露出する露出する期間に応じて料金を支払うという方式だったが、大手広告代理店系など数多くの企業が次々と参入し、過当競争が激しくなり、クリック保証型へと移行していく。指定したクリック数に達するまで、広告の露出を保証するというモデルである。
 しかしそれでも、バナーの衰退は止めらなかった。インターネットが爆発的に普及することで、情報のインフレーションが起きていたのである。日々更新される膨大な情報を前に、人々は必要としてもいない広告バナーをわざわざクリックなどしなくなっていた。ウェブを閲覧する際、バナーを無視するのが当たり前になってしまったのである。
 ウェブサイトは急増し続けていたから、バナー広告の市場自体は成長していた。だが料金ダンピングが激しくなり、利益の確保は非常に難しい状況になっていたのである。こうした中でアメリカからやってきたのが、アフィリエイトだった。ネット広告代理店はわれ先にと飛びついたが、利益を上げられた代理店は多くなかった。広告主の側が、ネット広告に若干うんざりしてしまっていたからである。
 さらに、日本特有の事情もあった。先に、アメリカではEC市場の成熟と中小企業のITリテラシーの高さがアフィリエイトの成長の背景にあったと書いた。それとまったく逆の理由で、日本ではアフィリエイトを成長させる環境ができあがっていなかったのである。つまり一般消費者のECに対する理解度が低く、おまけに広告主としてアフィリエイトを担うべき中小企業のIT導入がかなり遅れていたからだ。
 それでも細々とではあるが、アフィリエイトの普及は進んでいった。当初はインターネット企業が会員集めの手段のひとつとして利用するようになり、その後は広告主として消費者金融が増えていった。だがネット広告の市場全体から見れば、規模は微々たるもので、知名度も低かった。
 こうした状況は、2002年ごろまで変わらなかった。初期のアフィリエイト関連企業が苦戦したのも当然だったといえるだろう。
 しかしここに来て、状況は劇的に変わってきた。
 最大の要因は、ブロードバンドの爆発的な普及である。
 振り返ってみると、日本でアフィリエイトが立ち上がった1990年代末は、ブロードバンドはまだ登場さえしていなかった。ADSLの先駆的存在だった東京めたりっく(後にソフトバンクグループに吸収)がサービスインしたのは1999年暮れのことである。その後まもなく、NTTグループもフレッツ・ADSLをスタートさせたが、このころは月額料金が5000~6000円に高止まりし、ADSLの加入者増も足踏み状態だった。ADSLが爆発的に普及を始めるのは、2001年にYahoo! BBが低価格で提供を始めてからである。ADSLは2000年ごろは、わずか10万世帯程度にしか普及していなかったのだ。
 だが現在、ブロードバンドをめぐる状況は大きく変わった。総務省発表の2004年6月末の統計によれば、インターネット接続サービスの契約数は約2870万件。FTTH176万件▽ADSL約1200万件▽CATV約269万件▽無線アクセス約5万件――となっている。ブロードバンド世帯数は約1650万件にも上り、普及率は約3割という高い率に達している。通信料金もきわめて安く、この数年で日本は世界でも屈指のブロードバンド先進国に変身してしまったのである。
 ブロードバンドの普及で、インターネットは日用品となった。一般消費者がインターネットを自由自在に使いこなす時代が到来したのである。ECサイトはどこも活況を呈し、ネット広告業界も息を吹き返した。そんな中で、アフィリエイトも急速に成長するようになった。そしてアフィリエイターとして月額100万円以上の報酬を手にする個人が次々と現れ、そうした事例が雑誌や書籍などで頻繁に紹介されるようになった。その高収入ぶりに人々は驚き、さらに多くのアフィリエイターと広告主を招き入れるという好循環が生まれた。マーケティング業界で、「2004年はアフィリエイト元年だった」と言われるようになったのである。
 大規模なアフィリエイターとして知られるパソコン関連商品購買支援サイト「coneco.net」運営企業、ベスタグ社長の柴田健一氏が解説する。「ECの市場が急速に立ち上がってきたことが最大の要因だった。ECが小売業界でも大きく注目を集めるようになり、そしてECサイトに顧客を誘導して売り上げをアップする手段としてアフィリエイトが認知されるようになってきた」
 アフィリエイトが隆盛を迎えたもうひとつの理由として、大リストラ時代の中で、徹底的なコスト効率を求められるようになった企業側の事情もあるようだ。ASP大手のA8.net(エーハチネット)を運営するファンコミュニケーションズの取締役社長室室長、杉山紳一郎氏は、
 「マーケティングの手法として、アフィリエイトはもっとも理にかなっている」
 と説明する。
 「テレビや雑誌、新聞など従来型の広告宣伝は、かなりギャンブル的な要素を持っていた。出稿した段階では広告効果がどの程度期待できるのかがわからないからだ。それを補うためにテレビの視聴率や雑誌の発行部数、レイティングなどのさまざまなデータを積み上げている。だがアフィリエイトであれば、そうした予測数字を必要としない。売れた分だけ広告費を支払えばいいわけで、広告主の企業にとっては非常に事業計画の立てやすい仕組みになっている」というのである。
 実際、小規模なベンチャー企業にとっては、雑誌などの媒体に広告を出すというコストのリスクは非常に大きい。通常、月刊誌などの広告単価はページ当たり数十万円。人気雑誌ともなれば70万円以上にも達する。
 あるISPの関係者は「雑誌に広告を打つ時には不安でいっぱいになる。これだけのカネを支払って、本当に効果があるのかどうか。予測できない賭けのようなものだ」と話し、「もし資料請求ハガキがどれだけ寄せられたら、どれだけの広告代金を支払うというアフィリエイト的なモデルが雑誌広告に存在していれば、広告を出稿しようとする中小ベンチャーは急増するのではないか」と分析している。実際、大手ASPに出稿している広告主には中小ベンチャーが少なくなく、他の広告ビジネスでは見られないようなスモールビジネス中心の市場となっている。
 一方で、広告主から見たこの仕組みが、アフィリエイターにとってのデメリットにもなっているようだ。報酬がどのぐらい得られるのかは実際にやってみなければわからず、予測を立てにくい。ギャンブル的な要素の多いビジネスである。個人が遊び半分にアフィリエイトを試してみるのならともかく、企業が事業として行うビジネスとしてはかなりリスクが大きいということになる。そうしたことも要因になっているのか、アフィリエイターには個人サイトが多いようだ。前出の杉山氏は「売り上げベースはポータルなどの法人サイトの方が数字が大きいが、数でいえば圧倒的に個人サイトが多い。9対1か8対2ぐらいの比率になるのではないか」と分析している。
 もっとも、こうしたアフィリエイトのデメリットについて、杉山氏は、「そうしたマイナス部分を逆手に取り、自社のサイトがメディアとしてのパワーをどの程度持っているのかを測る指標としてアフィリエイトは利用できる。ページビューだけでは測ることのできないポータルサイトのブランディング力を読めるということは大きなメリットになるのではないか」とも指摘している。
 現在の日本のアフィリエイトにもっと大きな問題があるとすれば、それは広告料金の低さだろう。アフィリエイターに支払う報酬が、先進国アメリカでは購買価格の5%程度が平均的な数字になっており、中には15%も支払われているケースも少なくない。これに対して日本では、わずか1~2%程度。アメリカと比べれば、日本のアフィリエイターはかなり損をしていることになる。
 なぜこのような格差が生まれたのだろうか。前出の柴田氏が解説する。
 「日本ではアメリカに比べてマーケティングに対する考え方が立ち後れていることに加え、アフィリエイトが立ち上がった90年代末に広告主からの理解を得られなかったことが今も尾を引いている。当時はECがあまり立ち上がっていなかったのが原因で、アフィリエイトの普及は難しかった。広告代理店もひたすらお願い営業に走らざるを得ず、『報酬は安くて構わないので、とりあえずアフィリエイトを入れてみてください』とダンピングに走った。そのころの広告料金がそのまま現在まで続いてしまっている」
 アメリカではどのようなマーケティングを行えば、購買者がどのように考え、次にどんなアクションを取るのかが綿密に計算されている。最初の買い物で仮に高い報酬をアフィリエイターに支払ったとしても、広告主企業の知名度は相当に上がる。おまけに次回からは、アフィリエイターを通さずに直接小売りサイトを訪れて購入してくれるという期待値もある。だからたとえば販売マージンがわずか5%程度しか得られない小売りサイトであっても、その5%をまるまるアフィリエイターに支払ってでも顧客を獲得しようとするわけだ。柴田氏は言う。
 「しかし日本ではそこまで考えが進んでおらず、ただひたすら報酬は安ければ安いほどいいとしか受け止められていない。アメリカでは高い報酬を払って客を増やし、市場を大きくしてさらに金を儲けようという考え方。逆に日本は、安い報酬でアフィリエイターのモチベーションが上がらず、客が増えないという縮小均衡になってしまっている。結果的に、Amazon.co.jpのアソシエイト・プログラムなど、報酬の高いところにばかりアフィリエイターが集中してしまい、市場が成長できないでいる」
 アフィリエイトに対し、広告主側が「個人サイトにおまけのようについている広告でしかない」という印象を持っていることが、背景にあるのだろう。
 だがアフィリエイト業界では最近、「アフィリエイトは広告ではない」という考え方が急速に広まりつつある。
 広告ではなく、販売チャネルのひとつだというのである。確かに個人サイトなどで商品を紹介し、その商品を売る手助けを行うというモデルは、販売チャネル的な性格を多分に持っている。しかも個人サイトやブログを読む人々など、これまでの従来型販売チャネルがリーチできなかった顧客までもターゲットにすることができる。
 アフィリエイトの隆盛は、メーカー側にとっては販売チャネルの拡大にもつながっているといえるだろう。
 バリューコマースのネルソン氏は話す。「たとえば大型電機店では電機メーカーの商品を販売し、3~7%の販売マージンを受け取っている。これに対してアフィリエイトではパソコンを1台売っても1%の報酬しか受け取れない。同じような販売チャネル的性格を持つのであれば、同じような割合にしてほしいという圧力は高まってくるだろう。5年、10年先にはアフィリエイトは販売手法の一角を占める大きなチャネルとして認知されるようになり、報酬のレートも上がっていくのではないか」
 報酬に関しては、他の問題もある。せっかくアフィリエイターが数多くの客を小売りサイトの側に呼び集めても、小売りサイト側の対応が不十分で買い物をする客が少なく、結果として報酬が減ってしまうことがあるという問題だ。店に客を呼んできたのに、中に入ったら店員の態度は悪いし、インテリア(デザイン)も汚くて、すっかり買う気が失せてしまった。せっかく努力した“客引き”に対しては報酬は一銭も支払わなくていいのか?というわけである。
 たとえば仮に、報酬レートが1%と低くても、客がたくさん集まってモノを大量に購入してくれれば、報酬は高くなる。逆に5%の報酬を約束しているところでも、モノが売れなければ報酬は増えない。要するに単純なアフィリエイトの場合は、コンバージョンレートの考え方が抜け落ちてしまっている。
 こうした問題に対応するため、クリック率を導入するところも現れている。たとえば前出のconeco.netがそうだ。coneco.netの柴田氏は「クリック率とコンバージョンレート、平均単価、報酬率(料率)が最終的な報酬の額を決定する変数になる」と説明している。
 いずれにせよ、アフィリエイトの認知度がさらに上がっていき、新たな販売チャネルとしての評価が高まっていけば、日本のアフィリエイトの報酬率も今後はアメリカ並みに高められていく可能性は高いだろう。メーカー側としても、やはりモノを売ってくれるところを大事にするはずだからだ。
 今後、アフィリエイトはどうなっていくのだろうか。
 現在すでに始まっている現象は、ブログとの連携だ。ブログで商品を紹介し、報酬を受け取る個人アフィリエイターはたいへんな勢いで増えている。ウェブと比較しても、個人の意見や感想などをより明確な形で打ち出せるブログは、アフィリエイトとの親和性は高いとみられている。ブログは現在、猛烈な勢いで増え続けており、このブログブームに乗ってアフィリエイトがさらに一般への認知度を高めていく可能性はある。
 さらに、ブログは検索エンジンとの親和性がきわめて高い。1エントリー(記事)が1ファイルになっているなど、検索エンジンのロボットが検索しやすい構造になっているのである。つまりブログでアフィリエイターを構成した方が、検索エンジン結果にヒットしやすいというメリットがある。
 ウェブマーケティング業界では、インターネットにおける人々のトラフィックが最近、大きな変動を迎えているとされている。つまり以前のようにショッピングサイトやポータルサイトのトップページから誘導されるのではなく、検索エンジンを経由してディープリンクで深部のウェブページに直接リーチするケースが増えているのである。
 この変動が、アフィリエイトと結びつくとどうなるだろうか。検索エンジン→アフィリエイター→販売サイト、という大きな流れが生まれてくる可能性がある。
 以前から、アフィリエイターとして成功するためには検索エンジン検索結果(SERP)で上位に入る必要があるというのは、アフィリエイターの基本原則として語られてきた。SEO(検索エンジン最適化)を利用するのはもちろん、SERPの上位に入るため、Google AdSenseやOvertureなどのキーワード広告を利用している個人アフィリエイターも少なくない。今後はこうした傾向に拍車がかかり、販売チャネルとしての検索エンジンにさらに大きな注目が集まることが期待されている。
 業界関係者は指摘する。「大手ショッピングモールの楽天市場では、売り上げの3割が楽天アフィリエイト経由になっている。検索エンジンを使ってショップへの直リンクで買い物に来る客も多いとみられ、ざっと半数の客は楽天のトップページは経由していないのではないか」
 “ポータル戦争”という言葉がある。ヤフーや楽天、ライブドアなどの大手ネット企業が自社ポータルの顧客リーチ率を競っている現象のことを指すが、実はショッピング市場に関して言えば、“ポータルvs検索エンジン”という新たな対立構図が生まれつつある。大手ポータル経由ではなく、検索エンジン経由で買い物をする客が増えているのである。
 そして検索エンジンのSERP上では、大手ポータルサイトも個人アフィリエイターも、まったく同等にシームレスに扱われる。そういう意味では、中小企業と個人サイトを結びつけているアフィリエイトというビジネスモデルの可能性は、まだまだ広がっていると見て間違いないだろう。
 前出の柴田氏は話す。「インターネットでは今後もどんどん新しいサービスが登場してくるだろう。そうしたサービスとアフィリエイトがどのように連携していくのか、そのあたりに業界各社のクリエイティビリティが期待されている。アイデア次第で何でも可能。これまでに存在しなかったような新しいビジネスモデルが生まれてくるかもしれない」
 今後、アフィリエイトはECを飲み込んでいく可能性もはらんでいる。何しろアフィリエイトは、インターネットの最大の特徴であるハイパーリンクを存分に生かしたモデルだからだ。

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